おこのこさず

アセクシャルがパートナーを探し、見つけ、共同生活をしている話し。

おこめつぶ隊はひとつひとつが大切な栄養のあつまり。
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アセクシャルの私とヘテロの彼。

そんな二人が同居をし、何年も一緒に過ごすパートナーとして生活を始めています。

家も買い、それぞれの部屋も設け、お互い仕事に忙しい中でも時間が合う時は一緒ん晩御飯を食べ、たまの休みには一緒に買い物に出かけたりします。

 

 

同居を考える前、パートナーとしての付き合いについて検討を始める前に
私は自身がアセクシャルであることを伝え、それがどういうものか分かりやすい資料がネットに有料販売されていたので購入し、彼へと渡しました。

 

彼は何年も前に私に恋愛感情を持っていた人で、今も恋愛感情は有ると言っていました。

 

だから、パートナーになるのは難しいだろうと、最初は話していました。
しかし彼は肉体関係が無くても、恋愛感情の有る触れ合いが無くても、問題ない。
一緒に生活していける相手として、人としておこめさんと生活していきたい。

そんなことを言ってくれましたが、その後も何度も彼へ意思確認をしました。

 

「夫婦にはなれない」「夫婦生活も無い」「それを望んでいるんであれば、絶対に一緒になるべきではない。あなたは恋愛もできるし結婚もできる身なんだから。」

 

彼の出した答えは「充分分かっている。分かったうえで話している。一緒に住めるならそうしよう。」

 

 

 

そして昨夜、私はハロウィンに友人たちで集まる為の準備に大忙しで、夜まで自室で作業をしていると彼がノックをして現れ

「ちょっと話したいことが有るから、それが住んだら時間良い?」と。

 

作業が長引きそうだったので「今から大丈夫だよ!」とリビングのソファに二人で腰掛けました。何の話かな?と見据えていると

 

パトナ「最初に言っとくけど話のオチは無いしどうしようもない事だから。」

パトナ「俺はおこめさんに恋愛感情が有る事は知ってるよね。ここ暫く恋愛感情を出さないように、嫌な思いをさせないようにと気を使って生活していたが、それが辛くなってきた。いつか爆発してしまうんじゃないか、今までの自分じゃいられなくなるんじゃないか、不安なんだ。それを知っておいて欲しいと思って。そして俺がおこめさんに恋愛感情を向けた時、それでも一緒に居てくれるのかを確認したかった」

 

(恋愛感情ってやつは、なんてやつなんだ。)

 

わて「パートナー(名前)の辛さを分かりたいし、できる事が有れば協力したい。私の態度を改めた方が良いところが有ればそうする。けれど、アセクシャルである事だけは変えられない。あなたが行動に出たら、想像だけど、嫌いになると思う。これはパートナーに対してだけでなく誰に対しても私はそうで、嫌悪感をどうしても感じてしまう。
何より、私と一緒に生活していてあなたが幸せじゃないのなら、一緒に居るべきではないと思う。前にも言ったけど、あなたは恋愛もできるし結婚もできるんだから。」

 

パトナ「俺のしたことで嫌われるかが不安。これからも一緒に居たいと思ってるの?」

 

わて「一緒に居たいと思っているし最初からそのつもりだ。最初にたくさん話して、お互いで決めたことだよね。全く違う生活をしてきた人間同士が一緒に住んでかみ合わない事は当然ある。でも話し合っていける。けど今の「知っておいて欲しい」というのは、それを聞かされても私は何もすることができない。私はただ「この人は私といれば居るほどつらい思いをしているのか」と感じる。「はい分かりました」で済む話じゃないと思う。一緒に住むと決める前に、たくさん考えて決めてくれたんだよね?。こうなる事も。でも安心させてあげられる言葉は言えない。」

 

パトナ(石のように動かなくなる。息してるのか不安になるくらい動かない)

 

わて「(自分から呼付けておいて話を人に任せる癖あるよなこの人)本当にオチのない話だし、どうしようもない。私にできる事が有れば言って欲しい。他に何も話したいことは無い?」

 

パトナ(石のまま喉の奥でウと鳴く)

 

わて「また話があれば、明日でも良いから、その時はまた教えてね。大丈夫?先にお風呂に入って寝るよ」

 

パトナ(石のまま再び喉の奥だけでウと鳴く)

 

わて「お風呂あがったよ。」

 

パトナ(まだソファの上でうなだれている)

 

わて「大丈夫?」

 

パトナ(多分ウとかまた言ってたと思う。声が小さすぎてよくわからん)

 

わて「今日はもうそのまま寝るからね。お声かけいらないからね。」

 

パトナ(同上)

 

 

わて(多分鳴いてたしオッケーてことやろ。)

 

 

よーーしさっきの話を日記に書いとくぞ。何年後かに見返せるし、またもめた時に良い材料になる。

 

と、日記帳を開いたら、引越しの時に大事なものだからと慌てて挟んでおいた写真が出てきた。

ぴらりとめくると、私の両親が仲睦まじく、父が母の頬にキスしている写真。

ふたりはまだ22歳くらい。母はとてもうれしそうにしていて、父は母に夢中なようで。

 

途端に涙があふれた。

 

私にはこれが訪れない。求めても、応えたくてもできない。
ごめんなさい。心配ばかりかけて、こんな、形ばかりの同居生活を
みんな祝ってくれたりしたのに

 

 

嘘っぱちだ。

 

 

私たちは何になろうとしていたんだ。
パートナーとして、うまくやれていけると思っているし、信用もしているが、
大きく揺らいだ。

 

どうして今になって。しかもただ「知っておいて欲しい」なんて。あんなに何度も話し合って確かめたのに。自分が決めたことを、不安になったからって人に安心させてもらおうと。結果私を混乱させるだけになるとは、想像しなかったのか。

と思うと同時に、パートナーもこの生活に戸惑っているんだ。とも思った。
「恋愛感情を抑える」ことの大変さは私には想像もできないけれど、彼にとってはそれが「想像以上」だったんだとしたら、続けていけるのか決めるのは彼じゃないか。

 

もしかしたら、あっという間にこのパートナー生活は終了するかもしれない。

家の事は後で考えればいい。私一人では広すぎるけど・・・白目

 

 

 

今朝は洗面所でちょっと顔を合わせ、朝の挨拶をして、私が先に家を出ました。
彼は謝るとか、これについての話し合いの再開を自分からはしてこないだろうと私も分かっている。そういうやつじゃない。
それを分かっているので、家でもくもくと作業をして風呂に入って寝ることに集中します。