おこのこさず

アセクシャルがパートナーを探し、見つけ、共同生活をしている話し。

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迷走しまくり恋愛遍歴|今を受け入れる

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Pains of love be sweeter far than all other pleasures are.
恋の苦しみは、あらゆる他の悦びよりもずっと甘美である。
ジョン・ドライデン/詩人)

 

 

幼少のころは寧ろ性に対して興味津々だった私ですが、
小学生の時、同級生(女の子)のとある噂が広まりました。

「○○ちゃんは女の子にキスして回ってる」

 

 小学校の授業を終えたある日、その子と親しくなる機会があり家に招いて遊んでいると、突然ちゅーされました。その時私は何のことか全く分からず、でもおかしくてくすぐったくて笑い合いました。

 

どこかで噂を気にしていた所もありました。当時はLGBTQというワードを知っている人は自分を含め誰一人いない環境でした。だから、身近に居るなんて思いもしなかったでしょうし、個性の尊重よりも世間の評判の方が、小学校という社会に於いてまだ重要でした。
彼女は後ろ指を指され、”変人”と笑われたり、仲間外れにする人さえ居た事を覚えています。
私の家庭はよくハグするし子供が小さければ家族間で頬にちゅーしたりは当たり前の事でした。だから彼女の行動も愛情表現の一種(もしくは強烈な興味からの行動)だと心のどこかで感じていても、当時の愚かな私はちゅーされた事を友人らに隠していました。けれども学校が終わると二人きりでよく遊んでいました。時々彼女の天真爛漫な笑顔を思い出します。

 

 

 

アセクシャル自認前の私

幼少期

 

男性?女性?どうして体つきが違うんだろう?

女の子はスカートを穿くもので、可愛くしていなきゃいけない?男の子は自由でいいな。

私はどちらになりたいんだろう??

小学校低学年の時、両生類のナメクジのように、大人になるにつれ自分はどっちになるのか選べる物だと思っていた、妄想癖の強いひねた子供でした。
家には集英社のりぼんとジャンプ。種村有菜先生の「神風怪盗ジャンヌ」を読み、主人公の”まろん”がドキッとしたり、きゅんっとしたりするシーンをワクワクしながら読んで、テニスの王子様に出会いしっかりオタクに仕上がりました。 

 

少女漫画を読んで、恋愛に対する憧れはキラキラと心の中で輝き

少年漫画を読んで、正義感や友情への憧れが炎のように心の中で強く燃えました。

 

 

 

 

中学・高校生

 

小学校では片親を理由にした軽いイジメを経験。中学では特別教室。高校は遠い場所を選んで部活にも入り無事卒業。

 

中学生の時には年上の女性と初めてお付き合いをしました。 

高校の時には同級生の男性とお付き合いを経験しました。

 

 

 

「お付き合い」の中で生まれていく違和感

学生時代に男性・女性両方とのお付き合いを経験。卒業後も男女問わずお付き合いする事がありました。

しかし、男性とお付き合いする中で自然とそういう行為が必要になることに対し、何一つ楽しい、またしたいと思えることは有りませんでした。(勿論お互いに未熟でしたが、キスすら嫌だなとぼんやり感じ始めていました)

性行為への興味は少なからず有ったものだと思っていたので自分でも意外でした。ぜんっぜんたのしくねぇー!

  • 性行為への興味はあったが、実践してみると違和感に襲われる
  • スキンシップでハグなどはあっても回数が増えると途端に抵抗感が出る
  • メールの絵文字の数や返信速度、1日何通もやり取りしたいという要望に拒否感があった
  • 「ひとめで良いから会いたい」の感覚が分からない。というかそんな発想がない

上記の事から、お付き合いしても長続きする事ができず、自認もしていない私はとにかく悩み、暫く誰とも付き合わないようになりました。

 

自分の本当の気持ちとは?

誰かとお付き合いしている間は自分は恋人なんだと思って振舞っているつもりでしたし、自分なりに大切にしていました。

相手との差に戸惑うことも多く、自分のせいで状況が悪化していると根拠もなく責めたりもしました。

 

 

傷つき、傷つけたことも。

このギャップに振り回され、何より相手を深く傷つけた事もありました。

  • 手をつなぐ頻度が少ない
  • 体に触れさせてもらえない
  • 体の繋がりを拒まれる
  • 連絡頻度が少なく嫉妬もされない

こういった状況が、どれほど当時の相手方を傷つけたかと思うと、今の私ならばきちんと説明ができるのにな、と思ったりもします。

 

 

 

世間一般の言葉に拘りすぎていた

  • ずっと一緒に居たいと思うはず
  • そばに居るとドキドキする
  • 何をしてても相手の事が気になる
  • 連絡がくるととても嬉しい
  • 二人きりの時間をたくさん過ごしたい

いつか私もそう思えるのだ!と信じて30歳になるまで婚活をしてみたりしましたが、とうとう精も根も尽き果てて諦めにかかっていた矢先、セクマイの友人らに「アセクシャル」という存在を教えてもらい自分はそうなのだと知ることができました。

自分の生き方を決めるうえでとても重要で、無意味に自分を責める事も減りました。
自分にできるか、できないかではなく「やりたいか、やりたくないか」で考える。
昔から自分の中にある信念を大切にしていく。世間の目…結婚…親はどう思う…一生一人では……と行き詰まったら自分はどのような人生でありたいかを思い出します。「巣から落ちた小さなひな鳥を巣にかえす事ができたなら、私の価値はそれで良い」この言葉です。
誰にも気付かれない行動でも、困っている誰かに手を差し伸べる事ができれば、私の人生の価値はそれで良いんだ、と。

欲張ってたくさんの幸せを手しようなんて考えず、自分らしくいようと今は思えています。

 

 

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